社会福祉士体験談

社会福祉士体験談

ここでは社会福祉士でもある知的障害者作業所職員の体験談を御紹介します。

 

 業務内容は、食事介助や身体介助など日々の生活の介助から、利用者の仕事である作業をサポートしたり、レクリエーションや行事、イベントの企画運営、ボランティアなどの受け入れなどです。通所施設でしたので、保護者とのコミュニケーションなども大切な仕事の一つでした。

 

 一口に知的障害者といっても、その性格、個性はまるでバラバラ。ゆえに必要な支援もすべて異なります。そして常に変化・成長を繰り返しています。とにかく最初は利用者自身の事を知らなければなりません。

 

 言葉の通じる利用者ばかりではありませんでしたし、本人から訴えがあるわけでもありません。過去の記録を読み、専門書も随分読みました。そこにヒントはたくさんありましたが、答えは日々のふれあいの中で見出さなければなりませんでした。本当に試行錯誤の毎日です。

 

 そして「利用者の一番の専門家は保護者」であることを感じる場面にたくさん出会いました。一方で「親にはできないこと」を職員はしなければなりませんし、「保護者と職員の違い」などについても、常に考えて支援にあたる必要がありました。やはり「人と人」との間のことですので、辛いことはたくさんありましたが、その分利用者の素直な笑顔にもたくさん出会えました。

 

 そして社会福祉士としては、利用者との直接の関係だけでなく「施設全体」のことも考えられる視野の広さも大事だと思います。私も職場でより計画的な支援が可能になるよう、それまでの記録様式やケース会議の方法の改善をはかりました。他の施設との交流する機会を設けたり、ボランティアさんに積極的に行事に参加協力して頂く工夫もしました。

 

 日々の業務の忙しさからつい「職員対利用者」という関係のみで、仕事を考えてしまいがちです。ですが社会福祉士としては、もっと施設全体を、あるいは地域全体を見て、視野の広い支援を実践できることが大切だと思います。

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